美命の会所

夏越の祓えで祓うのは何?

6月30日は夏越の祓え(なごしのはらえ)でした。

ちがやという植物で作った茅の輪をくぐり、半年分の穢れを祓う。

この茅の輪、最近あちこちの神社でみかけるようになりました。

昔からあったのに見えていなかったのか? それとも神社の策略か?笑。

ところで、穢れとは何か? 

昔の人はこう考えました。

生きている限り、人は他の命をいただいている。

つまり、他の命を犠牲にして生きている。だから人は穢れている。

生きている限り、この穢れからは逃れられない。

暑い夏を乗り越え生き延びるためにはまず、穢れを払わなくては。

祓うとは、払い落とすのではなく、生まれ直すこと。

どうやって? 

母胎のかわりとして、海や河口に入って。

そこに入ることで、生まれ直すことができる。

昔の人はそう考えたのです。

ちがやは河口に生息する植物。誰もが、海や河口に入れるわけではないから、

そのかわりに、ちがやで輪=母胎 をつくり、そこに入って生まれ直す。

夏越の祓えの意味や起源は諸説ありますが、私はこの説が一番腑に落ち、

そして一番好き。

謙虚さ、自然や他の命への畏敬・・・この精神性が、

日本の文化、日本人の源流だと思います。

それは、お箸を横に置き、手を合わせ「いただきます」「ごちそうさまでした」

にもつながります。このことを理解し意識し、毎日手を合わせて、

いただきます、ごちそうさま、をしていれば、

わざわざ茅の輪をくぐりに出向かなくてもいいと、

私は思うのです。もちろん、茅の輪を見かけたら、

迷わずくぐりますが・笑。

先日、箱根神社に行ったら茅の輪があったので、

八の字を描きながら3回しっかりくぐり、

生まれ直してきました・笑。