美命の会所

大人のままごと? 歳時記を飾る

しつらい(しつらひ)、または、しつらえとは、構え整えること。 
設い(え) 室礼 鋪設 補理

漢字もいくつかありますが、最近は「室礼」が一般的ですね。
平安時代、晴れの祝いの日に、寝殿の母屋のひさしに
調度を立てて部屋を飾ることがそのルーツのようです。

歳時記講座に続き、
定期的に開催する講座として、「室礼講座」をスタート。
6月17日、1回目を開催しました。

講師は、茶の湯の大和流、礼法の小笠原礼法、いずれの師範でもある
水野れい子さん。
IMG_8724

午前はお茶の稽古、午後は室礼講座と、
日本の伝統文化を学んだ1日。
IMG_8725

室礼講座のテーマは「七夕」。
七夕の意味を紐解き、それを形にする・・・つまり、
現代の室礼とは、歳時記を形にして飾ること。
IMG_8843

「七夕」は5節句のひとつですが、どの節句も、
そもそもは、自然の恵み、神に感謝し豊穣を祈りながら、
穢れ(けがれ)を払い禊(みそぎ)をするための行事。

七夕も、年ごろになった女性が着物を織って棚に備えて神を迎え、
秋の豊作を祈りながら人々の穢れを払うという儀式でした。

機(はた)を織る「棚機女(たなばたつめ)」に選ばれた女性は、
川で体を清め、川辺の機小屋にこもって神に捧げる着物を織る・・
まさに儀式、神事だったのです。
儀式が行われたのは七日の夕方、
そのときに使われた織り機が棚機(たなばた)、
そこで「七夕(たなばた)」。

そんな古代の儀式が平安時代になって、
女性は機織り(裁縫)、男性は和歌や文字の上達を願う
宮中の行事と、織姫と彦星の星伝説がミックスされ、
「七夕」の節句となったのです。
さらに、
短冊に願い事を書く行事として庶民に広まったのは江戸時代になってから。

ルーツを知ると、短冊に書く願い事も考えなくては、
と思ってしまいますが・・・、
とはいえ、現代に生きているのですから、
どんな願い事を書いても神さまは許容してくれるはず! ですよね。

許していただくのですから、せめて日本人として、
七夕のルーツをきちんと知っておくべき、だとあらためて思います。

さて、この七夕を形にするのに今回用いたものは・・・、

5色(赤、緑、黄、白、紫)の糸・・・裁縫上達の願い
5色の筆・・・和歌や文字上達の願い
星形のガラス器・・・硯の代わり
4色の折り紙(緑は梶の葉で代用)・・・短冊をイメージ
梶の葉・・・天皇が梶の葉に筆で和歌を書いていたことに由来
なす(の形をした置物)・・・願いが成すように
IMG_8723

同じ材料を使っても、その表現はそれぞれ。
個性が光る七夕の室礼はこちら。
IMG_8739

IMG_8743

IMG_8747

IMG_8751

IMG_8754

それにしても、これはまるで大人のままごと!
ご参加いただいたみさんにも「楽しかった」と言っていただくことができ
無事に1回目を終えることができました。
次回は7月27日(木)。
テーマは「お盆」。
一緒に大人のままごと、楽しみませんか?

ご参加いただいたみなさま、そして水野先生、
ありがとうございました。
来月も楽しみです!

IMG_8758

7月27日(木)は、
11:30〜 お茶のおけいこ
14:00〜 室礼講座

です。1回限りのご参加でもかまいません。
ご希望の方は、会所HPの問い合わせフォームから、または
佐々木の携帯(090−2638−6596)までご連絡ください。