美命の会所

梶の葉から笹の葉へ

機織りや裁縫の技術を持つ織姫と牛飼いの彦星の伝説に関連し、

技芸の上達を願う古代中国の風習「七夕(しちせき)」と、

着物を新調し神に捧げ、夏の穢れを祓い秋の収穫を願う古代日本の「棚機(たなばた)」が融合し、

江戸時代に今のような七夕(たなばた)行事が形作られました。

昨日の歳時記講座は、そんな「七夕の節句」について。

紙が貴重だった時代、裏側が白い梶の葉を紙代わりにしていことから、

平安時代は、梶の葉に和歌や書の上達を願い天に捧げ、

江戸時代は、願い事を書いた短冊を竹や笹に吊り下げる・・・。

梶の葉から笹の葉へ。

時代とともに文化・伝統の意味や形はかわり、そして、それぞれの家の物語になっていく。

それでいい、それがいいと、講師の高山先生はいつもおっしゃいます。

「笹舟」をキーワードに、即興で先生がつくってくださった和歌は、

七夕の 天ゆく川に笹舟の すべて浮世の 流るるものかは

時代を逆戻りして、梶の葉に和歌や願い事を書いてみるのは、

七夕の本来の意味を理解するのにはとてもいいかも。

翌日にはシワシワになってしまいますが・笑。