美命の会所

重陽の節句と菊と後鳥羽上皇!?

間も無く「重陽の節句(菊の節句)」です。

この節句は、5節句のひとつではありますが、
桃の節句や端午の節句、七夕のように、
日本古来の儀式と中国の儀式が融合したものとは少し異なります。

中国伝来のこの行事と、
鎌倉時代に承久の乱を起こした後鳥羽上皇が菊の花が好きだったこと、
上皇がきかっけで、
菊が天皇家の家紋になったことなどから菊の存在感が増し、
そこに、菊と関わりあるこの節句が結びつき、
宮中で行事として行われるようになり、
さらにはそこに、
日本風のアレンジ(絹綿に菊の朝露をしみこませ体をふく)を加えて・・・。

なんとなくもやもやしていたことがすっきりしました。

では、古代中国ではなぜ重陽の節句に菊?? 
菊は不老長寿の花とされ
(なぜ?「菊慈童」という中国の伝説からきている?)
漢方薬のひとつでもあったからという説もありますが、
それよりも、
陽の重なりに、花びらが重なり合って咲く菊になぞらえたのでは? 
なーるほど! 
この説のほうが私にはしっくりきました。

ルーツや意味を考えるとき、
歴史や学術的、民俗学的観点で
考えがちですが(考えるというよりその観点を求めてしまう)、
それはそれとして、まずは、人の暮らしの営みや心持ちを想像してみる・・・

たとえば、この重陽の節句なら、
夏が終わりいい季節になったのでお散歩がてら
丘に登って涼しい風に吹かれる、
その道中に生息している秋の実りの赤い実をおやつがわり食べる、
陽の重なりと菊の花びらの重なりが同じだから、
菊を浮かべて酒でも飲もうか、
この日にそんな過ごし方をしたら、元気になった、健康になった・・・
そんな風にまずは想像し、
そこを伝統や文化の出発点と考えてみてもいいのでは・・・。

歳時記講座の講師・高山先生のお話は、
は私にとって、目からウロコでした。
そして、暮らしの中の日本文化を学んでいく上で、
この視点って、案外重要かも、とも。

旧暦の9月9日、今年は10月25日。
私はいま、2回、節句を楽しんでいます! おすすめです!

毎月会所で開催している歳時記講、次回は
9月17日(木)14時〜16時

zoomでしたら、ご参加いただけます。
ご希望の方、ご連絡くださいませ。