美命の会所

京都と鳳凰と思い込み

冬の季節の大半が灰色の空、という雪国・秋田で育った私には、
澄んだ青空が広がる東京にいることを嬉しく思うと同時に、
あの灰色の空の下で、年老いた両親が雪かきをしている姿を思うと、
なんともいえない罪悪感を覚えます。
東京に暮らしてもう30年以上たっているとうのに。
不思議なものですね。

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2月23日からの京都での展示会も、気づけばすでに来週に迫りました。
関西エリア、東海エリアのみなさま、
いらしていただけたらうれしいです。
関東エリアのみなさまも、冬の京都への旅、いかがですか?
(といっても計画立てるにはもう時間がないですね・・・)

今回は、酉年にちなんで、鳳凰を描いた器も展示します。
京都の展示会に限らず、今年はもうしばらく、
鳳凰の器をいろいろつくっていきたいと思っています。

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鳳凰は、龍と同様、架空のおめでたい生き物(瑞獣 ずいじゅう)です。
 幸運が訪れるときに現れる
 すべての鳥は鳳凰から生まれたから「百鳥の王」
 鳳は雄、凰は雌で陰陽をあらわす
 羽は5色に輝き
 昼は「善哉(シャンザイ)」、夜は「吉凶(ジーシィォン)」と鳴く
これらは鳳凰にまつわる伝説です。

もう20年近く前のことですが、
会社を辞めフリーになって不安な気持ちを抱えていたころ、
夢の中に、オレンジ色に輝く鳳凰が現れました。
オレンジ色なので、鳳凰ではないのかもしれませんが、
朝起きたとき、その夢を珍しく鮮明に覚えていて(それはいまも!)、
「この夢はいいことの兆し。私は大丈夫!」と自分にいいように思い込みました。

紆余曲折ありながらも、
いまこうして美命を続けていられるのですから、
あの夢のなかの鳥は瑞獣・鳳凰だといまも信じています。

辰年の私が龍と同じくらい鳳凰が好きで、器のモチーフに描いているのは、
実はこんな理由からでもあるのです。

昨年、美命の会所オープンの記念プレートとして限定でつくった器には、
美命の代表モチーフである、
牡丹(邪気を払う、富貴の象徴)、菊(不老長寿)、
龍(瑞獣・神の象徴)、鳳凰(瑞獣・幸運を招く)がすべて描かれています。

夏も終わるころ、あ、来年は酉年、あ、鳳凰!! とひらめき(笑)、
その記念プレートを飾ったところ、なぜかたくさんオーダーをいただき、
いまも尚、なぜかそのオーダーは続いています。
これはやっぱり縁起ものの器だ! とまたもや思い込み(笑)、
守護プレートとして、美命の会所に鎮座しています。

「自分だけの思い込みと勘違いで生きていきたい」

これはその昔、
ギターユニット「ゴンチチ」のひとり、チチ松村さんに
インタビューしたとき、チチさんがおっしゃった言葉。

これ、名言だと思いました。
これこそ、運を開くコツかもしれない、
ハッピーでいられるコツかもしれない、
私もそう生きたい、と思いました。

鳳凰から思い込みmindへ、ちょっと脱線しましたね。
失礼しました。

あらためて、京都での展示会の詳細はこちらです。

2月23日(木)〜2月28日(火)
「美翔ぶ器 舞う装い展」
京都 有斐斎 弘道館2階 http://kodo-kan.com/
10:00〜17:00
保存建造物のため、入館料1000円(お菓子、抹茶つき)

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歴史のない美命が京都で展示会なんて恐れ多くてできない、
と敬遠していた京都で、
京都出身のオーナーデザイナー・東家雅子さんがつくる
洋服のブランド・ソールワークさんとともに行う、というのも
不思議な巡り合わせを感じずにはいられません。
ベストなタイミングだったのではとまたもや思い込み、
来週からの京都を楽しんできたいと思います。
京都でお会いできるのを楽しみにしています。

2月は変則的な営業でご迷惑をおかけしていますが、
3月2日から通常営業を再開する予定です。

3月は以下の「コト催事」を予定しています。

3月3日(金)13:00〜15:30
歳時記いけばな「桃の節句を彩る」(会費 5000円+花材)
教え人 草月流師範 松尾柳竹さん
※詳細はhttps://mikotonokaisho.jp/

3月4日(土)14:00〜16:00 
歳時記講座(会費 5000円)
伝え人 日本文化研究家 梶 紹司さん

3月24(金)13:30〜15:30
講座 白洲正子の審美眼を探る(会費 5000円)
伝え人 元大妻女子大学教員 松本光治さん
※4日、24日の詳細は追ってHPにてご案内いたします。

また、3月のテーブルは、
おもてなしのサロン『Precious Style』主宰 東弘子さんに、
春のテーブルをコーディネートしていただきます。

3月、みなさまとお会いできるのを楽しみにしています。