美命の会所

今日は節分です

節分についてちょっとお話ししますね。

中国の鬼(き)は幽霊ですが、
日本の鬼は「おぬ(=居ない)」。「おぬ」とは、
目に見えないけど何か居るという妖気、疫病、穢れや厄だったりと、
姿形のないものでした。まさにいま、世界中に「おぬ」がはびこっていますね。

平安時代以前は、節分の晩に、
そんな「おぬ」を払う役目の「方相氏(ほうそうし)」と呼ばれる賢い人が、
4つの目を描いたお面をつけ、槍のようなものを持って、
家の四方に突き刺し「おぬ」を払う儀式を行っていました。

中国の鬼は鬼門(北東)の方角(十二支に当てはめると丑寅の方角)
からやってくるということから、
昔の誰かが、姿形のない「おぬ」が、
牛の角を持ち寅柄のパンツを履いている「鬼」へとビジュアル化したのです
(すごい発想と創造力!)。

と同時に、「おぬ」祓いをしてくれていた方相氏が、
なんと「鬼」になってしまったのです。

「おぬ」から「鬼」へ。
姿形のない「おぬ」が姿形ある「鬼」へ。
方相氏が鬼へ。

まさかの大どんでん返し!!

そして、「おぬ」が「鬼」になったころとほぼ時を同じくして、
宮中で節分のころに行っていた、
穀物(米や豆)を撒いて豊穣を願う儀式と融合し、

鬼(厄や穢れなど)は外へ
福(五穀豊穣、健康など)は内へ

とその儀式は庶民にも広がり(庶民は高価な米ではなく豆を撒いた)、
立春の前夜に、厄落としと豊穣祈願を行う行事へと形作られていったのが江戸時代。
それがいまに。

「伝統は案外いい加減。でもそれでいいんだよ」
とおっしゃる先生の言葉を実感した節分のお話しでした。

語り伝える御伽衆(おとぎしゅう)らしく、
先日の歳時記講座で学んだことをつらつらと・・・。

こんなことを毎月学んでいます。

次回は2月26日(金)14:00〜16:00
テーマは「桃の節句と桃太郎」です。
zoomでご参加いただけます(参加費4000円)。

ですが、初めての方は初回のみ無料! ご招待いたします。
一度ぜひ講座を体験してみてください。
ご興味ありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。

お問い合わせ

ところで、ここに掲載している画像は
御伽衆の仲間たちのものです。

「節分の室礼していたら画像送って」とメールしたら、
こんなすてきな室礼画像が届きました。

この心豊かな日本の文化を大切につないでいきたいと
あらためて思う節分の今日・・・。